皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

「早速ですが、調理をさせていただきます」
「うん、お願い」


それから私は玄峰さんに案内されて厨房に向かった。

これまた広すぎる厨房は、二十人くらいの料理人が作業をしても余裕ではないかと思える。


私はまず水分の排泄を促す陳皮を酒につけて陳皮酒を作った。

これはしばらく寝かせておいてはちみつを加えて飲んでもらおうと思う。

その次に胃腸の働きを助けるという鶏肉を、臭みを取るために生姜と葱を加えて茹でて一旦取り出す。

この汁を使い、肝や腎の働きを高める枸杞の実を入れた米で粥をこしらえる。

それが煮える間に、体内の新陳代謝を高めて解毒や発汗の作用があるうどを取り出した。うどの根は『独活(どっかつ)』という漢方薬でもある。

先ほどの鶏肉とうどを合わせて生抽(しょうゆ)と黒砂糖、湯(たん)を少し加えて煮込む。
これで二品。

次は腎の働きを助ける海老を手にした。

海老には体を温める効果もある。
叩いて生姜と混ぜ、団子にする。
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