皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
お金をいただけるのはありがたい。
村の人たちの体調不良を治したくて、肉を用意したくてもお金がなくてできないこともあったから、それに使いたいのだ。
それに『危害を加えない』というのも信用できる気がする。
毒見を断った彼らは私のことを信頼しているようだし、それなら私も信頼したい。
「わかりました」
「よし決まり。玄峰、部屋を用意して」
あっさり了承の返事はしたものの、不安がまったくないわけではない。
両親以外の人と寝食を共にしたことがないからだ。
けれども、さっきの食べっぷり。
本当にまともな食事にありつけていないと伝わってきて、役に立ちたいとも感じた。
部屋の準備に行った玄峰さんの代わりに、劉伶さまと博文さんが器の片づけを手伝ってくれた。
「麗華はなんの料理が一番得意なの?」
唐突に『麗華』と呼ばれて一瞬声が出ない。
「あぁ、ごめん。麗華じゃ駄目かな。仲良くなったらそう呼ぶものだろ? 俺は劉伶でいいよ」