皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
わずかな時間を一緒に過ごしただけなのに、仲良くなったと認めてくれるの?
「劉伶さま、なれなれしいですよ」
博文さんがとがめるので首を横に振った。
「いえ、麗華で十分ですが……。劉伶さまは劉伶さまで」
年上の男性を呼び捨てするなんて、緊張してうまく話せなくなる。
「あはは。それじゃそうしよう」
「でも、私をどうしてそんなに信頼してくださるんですか?」
「毒見発言には驚いたからね。俺の話を聞いてとっさにそこまで気を回せるのがすごい。俺に食事を楽しませたいと思ったんだろ?」
さすがは文官だ。頭の回転が速い。
たしかに、最初に毒が入っていないことを証明すれば、びくびくしないで食事を楽しめると思った。
毒を盛られてから、食事を楽しめなくなった話を聞いたから余計に。
「……はい」
「そんな優しい人に悪い人はいないよ。博文は他人の心を読むのに長けているんだが、彼も大丈夫だと感じているみたいだし」