皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

「それは嘘だな。今の彗明国に支払える能力はない」

「そんな……。村も働き手が減って、どんどん困窮しているのに。その報酬がなければ、皆飢えてしまう」


彼に訴えてもどうにもならないことはわかっている。

けれども、こういう状況のときは弱者に皺寄せがいく。
超家のおじいさんのように病弱な人たちが食べ物を口にできなくなったら命すら危ないので、言葉が勝手にこぼれた。

劉伶さまは腕を組み、しばらく黙り込んだ。


「やはり、行くしかあるまいか……」
「行く? どちらに?」


聞き返したのになにも言わない。


「麗華。お前は本当に優しいな。お前のおかげで久しく忘れていた穏やかな時間を過ごすことができたよ」

「劉伶さま、どうされたんですか? いったいどちらに行かれるんです?」

「準備が整ったら、ここを離れる。村が困窮しないようにする。これは刎頸の友の約束だ」


彼が私のことを『刎頸の友』と口にするので悦に入る。
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