きらきらと準備室



「だろうな。黙ってやれ」
「……、はい」


黙ってたところで、そこに先生がいる限り、ソワソワして集中できない。
だけど、先生に少しでもよく思われたくて、いい子のフリして頷いた。


先生と喋りたいってわけではない。喋りたくないわけでもないけど。

ただ、先生と一緒にいる時間が一番心地よくて。
他の女の子と話してるの見たら「嫌だなぁ」って思うし、笑顔が見られたら嬉しくなるし。見たことないけど。

…私の「好き」の形は、そんな形。


だけど、私が先生について知ってるのは、名前と年齢、それと双子座だということだけ。誕生日は知らない。

知らないから、何か少しでも先生について知りたくて、毎日会話を試みてるけれど、未だに進展はない。もう、かれこれ一年弱ぐらいは経つんじゃないだろうか。


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