お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「設立に関係した企業が招かれるパーティーで、うちの会社からは社長、つまり父、そして俺と、役員が数名出席する予定だ」

正直言って、うちの会社の役員と澪を引き合わせたくない気持ちが強い。

まぁ、どうせあの連中は、澪の顔など覚えてはいないだろうが、澪の心の方が心配だ。

「誘われた手前、一応澪にも話だけは通しておこうと思ったんだが、俺ひとりで行くつもりだ。堅っ苦しい、楽しくもないパーティーだからね」

一緒に行ってくれたらありがたいのだが……とは言えなかった。

社交界には同伴者が必須。引き受けてくれると助かるのは事実だが、彼女を面倒なしがらみで束縛するのは躊躇われる。

一応自分の伴侶となる人に声をかけるのは、礼儀のような気がしたのだが、どうせ今も連れ添いは秘書に頼んでいるし、彼女さえそれで納得してもらえるのならば、これからも秘書に頼み続けるつもりだ。

澪はうーん、と唸っている。もしかして、悩んでいるのだろうか。
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