お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
私は聞かなかった振りで、陸くんをゆらゆら抱っこする。

しばらく家の中を歩き回っていると、すやすやと寝息を立て始めた。

どうやら眠たくてぐずっていただけみたいだ。

仕方ない、このかわいい陸くんのために、叔母ちゃんがひと肌脱いで、子ども部屋を譲ってやるか。

それまでに結婚相手が見つかるといいなぁなんて、ぼんやりと考えるけれど、今でもまったく男の影がないんだから、当分は無理かもしれない。

すでにあきらめ半分で、独立する算段を立てるのだった。
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