お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「澪のせいじゃない。俺が、やりたいことをやっただけだ」

「柊一朗さん……」

「誰も澪のことを責めてないよ。だから澪、もうそんな顔しないで」

私の口角に人差し指を添え、軽くくいっと押し上げ無理やり笑顔を作る。

「両親の前では、幸せな花嫁でいてやって。じゃないと、彼らが罪悪感を抱いてしまうよ」

ね? と首を傾げて言い聞かせる彼。私はコクリと頷いて、唇をかみしめた。

「はい……」

私に求められていることは、嘆くことじゃないんだ。彼の隣で、笑顔であること。

それでみんなが幸せになれるっていうのなら、いくらでも笑ってみせる。

それが彼を、家族を、そして自分自身を幸せな未来に導いてくれるのだと信じて。

柊一朗さんは、私の体を抱きしめたまま、ゴロンとソファに横になった。

アームレストを枕にして、私の顔を覗き込む。
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