お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「もしも俺たちの間に子どもが出来たら、なるべく傍にいてやることにするよ」

「お願いしますね。寂しい思いはさせないであげてください」

「澪がたくさん愛情を注いでくれそうだから、きっといい子に育つよ」

私の脇を抱き上げると、顔を近づけキスを落とそうとする。

私は彼の顔の横に手をつき、待ったをかけた。

「でも、その前にまずは同居です。いざふたりで暮らしてみて、ものすごくつらかったら結婚どころじゃなくなっちゃいますよ?」

「それはないよ」

彼はクスッと笑って、垂れてきた私の髪を耳にかける。

「毎日こうしていられるんだろう? これが幸せじゃなくて、なんだっていうんだ」

それを当然のことのように言う彼に、鼓動がトクンと疼いた。

今この瞬間、こうして顔を向き合わせていられることを、彼は幸せだと言ってくれる。

私も。こうして彼の優しい瞳を見つめて、体を触れ合わせていると、胸の奥が温かくなって心地のいい安らぎに包まれる。
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