お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「澪がそばにいてくれれば、あとはなんだっていいよ。ソファの色も、白だってピンクだって青だってかまわない。その上で笑っている澪がいれば」

今度こそ、私の後頭部に手をまわし、そっと優しい口づけをくれる。大事に大事に慈しむように、唇を包み込んでくれる。

「私も」

きゅっと唇を押しつけたあと、彼の頬に頬を寄せた。

「柊一朗さんのそばがいいです」

私に絡まる腕の力が強くなる。全身を深く包まれて、大丈夫、離さないよと言われたようだ。

「照れずに言えるようになったね」

「言わなくても、どうせ知ってるでしょう?」

「それでも、口に出してもらえるとうれしいものだよ」

とろけるような瞳の彼に、私もふにゃっと頬が緩む。

「なら、いくらでも」

彼の両頬に手を添えて、優しくて頼もしいその表情を包み込んだ。
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