迷惑なんて思ってないよ
盗み聞きするつもりなんてなかったんだ。でも、自分の事を話しているんだ。最後まで聞きたいって思うだろう。

「うーん・・・、頑張ってはいるんだけどね・・・」

「無理なんでしょ?」

「何でなんだろうね・・・」

何の話かは分からなかったけれど、まさか両思いだったんじゃないかという都合の良い解釈が俺の中にあって。これ以上、二人の会話を盗み聞きしてはいけないと目を開いた。柏崎さんは晴人くんの胸に抱かれていたため、気付いていないみたいだったけれど晴人くんとは目が合った。人差し指を口許に持っていった晴人くんを見て何となく、二人に恋愛感情がないのか疑ってしまった。
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