迷惑なんて思ってないよ
二十歳になるまでなら面倒を見ると。自分で自分の道を決められるようになってから今後の在り方を本人同士で話して行けば良いと。でも、実の姉だと信頼していた人が急に血の繋がっていない他人だと言われれば取り乱すのも無理はない。
一番上の伯母もきっともう話しても大丈夫だろうと思って言ってくれたんだろうけど、いくつになっても兄弟が赤の他人だったなんて衝撃的な事実である事には代わり無い。

「あんまりだ!!姉ちゃんに家族がいないなんてっ、あんまりだよ・・・っ!」

あ、そっか。私、誰とも血が繋がっていないんだ。私の家族は誰も残っていないんだ。父に似ていると思っていたのは父の姉が産みの親だったから。母が厳しくしたのは私になついてくれている晴人を危険な目に遇わせないよう守りなさいという意味だったんだ。
私は私のために泣き崩れてくれた晴人をただ見ている事しか出来なかった。
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