迷惑なんて思ってないよ
五章・困った転入生

そうだったんだ

あれから二年が過ぎ、高校も今年で最後になった。今年入って来た晴人は昼休みになると必ず私の下へ来る。基本、そのままお弁当を一緒に食べたり終わりの鐘がなるまで暇を潰したり。
意外だったのは凛太郎くんの方だ。去年、今年と同じ組では無いのに休み時間や放課後になると必ずと言って良いほどやって来て他愛の無い話をする。私が移動教室の時は用事もないのに一緒に体育館へ行ったり理科室へ行ったり。
正直、何がしたいんだろうって思う。別に凛太郎くんとの会話は楽しいから良いんだけど、周りは楽しくないんだろうなって。虐めはするなと目を光らせている凛太郎くんに嫌われたくなくて、虐めと呼べるほどの嫌がらせはなくなった。ぶつかっても謝られなかったり、二人一組になる授業で省かれたりはするけど一年生の時のお弁当を捨てられたり、鞄の中身を窓からばらまかれたりするよりはマシ。これ以上、酷くならない事だけを願っていた。
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