天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
ツカツカツカ。
近づいてくるヒールの音。

真っ直ぐに向かってくる足音が、俺の前で止まった。

光沢のある靴。
踵はピンヒール。

足をくじきそうな靴だな。

「あのー」
頭上から降ってくる声。

その声に誘われるように、俺はゆっくりと頭を上げる。

足首はちょっと細すぎるくらい。
ほどよく鍛えられたふくらはぎが、膝丈のスカートから伸びている。
それよりも目をひいたのは、
ピンクのワンピース。
かなり派手だ。

「あのー」
再び声をかけられて、俺は立ち上がった。
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