天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「田島泰介(たじまたいすけ)です」

「私、高杉爽子(たかすぎそうこ)です」
はにかんだ笑顔を向ける女性。
女性と言うより、少女のようなあどけなさを残す美女。

「座ってもいいですか?」
そう言われて、2人で立ち尽くしていたことに気づく。
「ああ。どうぞ」

フフフと笑いながら、彼女、爽子さんは席に着き、オレンジジュースを注文した。


「お待たせしてすみません」
「いえ、僕も今来たところです」
「良かった。道が混んでいて、遅刻するんじゃないかとヒヤヒヤしました」
「そうですか」

確かに、土曜日の今日は人出も多くて街も道も混雑している。
俺も車で来なくて良かったと思っているくらいだ。

ん?
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