天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「もしかして、車で来たんですか?」
「ええ」

ええって、週末の一番混み合う時間に都心で駐車場を探すのだって大変だったろうに。
何でまた車なんかで・・・

「いけませんでしたか?」
「いえ、そんなことはないんですが。この時間だと道も混んでるし、よく駐車場がありましたね?」
「いえ、車は帰しましたから」

ん?
帰した?

「えっと・・・」
彼女の言葉が整理できない俺は言いよどんでしまった。

「だって、田島さんも車でみえるかもしれませんし、待たせておくのも良くないかなあと思ったんですが・・・もし必要なら呼びますけれど」
今にも携帯を取り出そうとしてる。

待て待て。
「いや、そうじゃなくて」
どう言えばいいんだろう。
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