ヴァンパイア†KISS
「…ん……!」

デュオの赤い果実がわたしの舌に甘く甘く絡みつく。

「…ハ…ぁ…」

彼の吐息がわたしの唇にかかる。

デュオは顔を激しく上下左右に動かしながら、

わたしの唇をもぎとるようにキスをする。

………それは、今までで、一番激しいキスだった。

わたしの世界には、デュオしかいないみたいだ。

デュオしか………愛せない……!!

わたしはデュオの首に両腕を回す。

デュオはそのままわたしを抱き上げ、きつく激しく抱きしめながら。

――――月明かりに溶けるような、キスをした。

このまま、溶けてしまってもいい……。

もうほんとうにこのまま溶けてしまうんじゃないかと思うくらい意識が朦朧としてきたその時。

「カレンはこれ以上の快感は無理なんでね。こんなもんでいいかな?……シエル」

……シエル……!?

唇を離し、わたしを抱きしめたままデュオは窓を振り返った。

「ちぇっ。ここまでかぁ。もうちょっと先まで見たかったけど、カレンは特殊な体だからね。仕方ないか」

屋根裏にあるたった一つの小さな窓で、月明かりを背に浴びながら、こちらをじっと見つめてあぐらをかいているシエルがいた。

「シエル!!」

「やぁ、カレン」

シエルは15歳くらいの体のままで、あどけない顔で笑顔を見せた。

「カレン、デュオ兄さんとは無理だけど、同じ母から生まれた僕となら、カレンの特殊な体でも愛し合える。抱き合うほどに、お互いのパワーを高めあえる」

「……シエル…」

シエルは天使のように微笑むと、言った。

「カレン、僕を愛してよ」






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