ヴァンパイア†KISS
かずちゃんはわたしの目の前で止まる。

「ヴァンパイアかどうか、確かめてみようか……?」

「……え?」

その瞬間、わたしはすごい力でかずちゃんに引き寄せられた。

「………う」

……わたし、かずちゃんに……キスされてる。

わたしは瞳を見開いたまま、舌を入れてくるかずちゃんの顔を見ていた。

「……んん……やっ!!」

思い切りかずちゃんの胸を押してなんとか唇を離すのが精一杯だった。

かずちゃんはまだしっかりとわたしの頭と腰を押さえ続けている。

「…なんで?花恋。昨日はあいつにキスされて気持ち良さそうだったじゃない?」

かずちゃんの顔からは、無表情なのに、強い怒りを感じた。

……かずちゃん……!!

気付くとわたしはベッドの上に押し倒されていた。

強い腕の力でわたしの両腕はベッドに押し付けられ身動きが取れない。

「……や…めて…かずちゃん…こんなこと……」

「花恋は僕の婚約者だよね?なんでやめなきゃいけないの?……それに、ルシアから聞いたよ。あいつは花恋を抱くことができないって。なら、僕が花恋を抱けば、花恋は僕だけのものになるんだ。……そうだろう?」

……ルシア……!!

かずちゃんはわたしのシャツの襟を引き裂くと、わたしを押さえつけたまま唇でわたしの首から胸へと降りていく。

「……ん…ぁ…い…や…かずちゃん!」

「花恋がヴァンパイアかどうか、僕が確かめてあげるよ。体の隅々まで、ね」

わたしは泣きながら叫んでいた。

「いや――――!!!……デュ…オ………デュオ――!!!」

エクスタシーなんか、感じない……!

デュオ…あなたは、人間かシエルだけがわたしにエクスタシーを与えることができると言ったけれど。



――――わたしは………あなたじゃないと、だめなの!!!







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