ヴァンパイア†KISS
「まさか、手をつないで登場するとはね、デュオ」

城内を歩きながらカルロが嬉しそうにデュオを見上げた。

「このガキが!!デュオ様と呼べ!!」

デュオの後ろからブルースが間髪を入れずに反応する。

「ブルースのくせに意見するな!どうせデュオ以外に構ってもらえないくせに!!」

「あなたたち全然変わってないわね。100年たっても」

エマが呆れたように、でも懐かしげに目を細めた。

デュオは我関せずな様子で顔色一つ変えずに、わたしの手を繋いで歩く。

……デュオが一番うわてかもしれない。

広い城内の廊下を歩くたびに、ヴァンパイアたちがデュオにひれ伏すように一礼するのが目の端に映る。

その中をデュオに手を引かれて歩くのは、ある種快感だったりするのだけれど……。

城の外はだいぶ暗くなって、月が美しい庭の一部のように浮かんでいた。

1階の広間の横にある小さな扉の前でわたしたちは止まった。

「カレンもエマも着替えておいで」

デュオはそう言うとカルロとブルースを連れて反対側の部屋へと入っていった。

わたしとエマは指示された通りに目の前の小さな部屋へと入る。

扉を開くと、2名の女性の若いヴァンパイアがわたしたちに一礼し、着替えのドレスを手に近づいてくる。

「…え?エ、エマ!これなに?どういうこと!?」

「ちゃんと正装してみんなの前に出なさいってことよ。ヴァンパイアは身だしなみも大事なの。それにデュオはきっとカレンを特別な女性として紹介したいのよ」

「と、特別って!?」

エマはにっこりと笑うとわたしに顔を近づけて言った。

「今は事実上ヴァンパイアの主であるデュオが女性の手を繋いで城内を歩くということがどういうことかわかる?」

「え…?さ、さぁ…」

「自分のものだってみんなに誇示しているの。ヴァンパイアは基本的に手が早いんだけど、デュオの女だってわかれば誰も手は出せないわ。デュオはヴァンパイアに免疫のないあなたを護ろうとしてるのね。……まぁ、独占欲が強いだけかもしれないけど」

エマはそう言ってクスクスと笑った。



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