ヴァンパイア†KISS
炎が轟音をたて、再び激しく燃え上がる。

一すじの道が一瞬にして閉ざされ、炎の中に消えていった。

「く……炎の勢いが思ったより激しい…!」

ルドルフが悔しそうに顔を歪め、肩で息をする。

どうしよう……みんな!!

不安で押しつぶされそうになりながら、炎の中を見た瞬間。

微かに、カルロがわたしに向かって微笑むのが見えた気がした。

カルロ……?

「ウルフ様、100年前にあなたにいただいたこの命、今、あなたにお返しします」

カルロは、微笑みながら月を見上げる。

カルロの微笑みは月そのものだった。

月のように二人を見つめてきたカルロが、今また、月のように微笑む。

「カルロ……待ちなさい…」

エマの声は震えていた。

「エマ様、私はあなたを愛していました。100年前からずっと。最初からこうするべきだったのです。それが、お二人の愛を見つめてきた私の役目なのです。エマ様、もう一度…ウルフ様と、ワルツを…」

「やめなさい、カルロ!」

エマの制止も構わず、カルロはその指で自分の胸を突き刺した。

…………カルロ……!!

カルロは、その指をひと舐めし、ウルフに口移ししていく。

炎の勢いがますます激しくなっていく。

「…く…もう一度、ほんの少しなら道を作れるかもしれません」

ルドルフが再び両手を振り上げた。








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