ヴァンパイア†KISS
「デュオ…」

「カレンなのか…?」

顔を上げると、デュオが自分の胸に顔をうずめるわたしを不思議そうに見つめていた。

「わたし…カ…」

「カレン」と言い掛けたその時、デュオがその指でわたしの唇を塞いだ。

「言わなくていい。…お前は間違いなく、私の愛しいカレンだ」

デュオは物憂げな瞳で見上げると、そのまま指をわたしの唇に入れる。

「……ん…は…ぁ」

気付いたときには、デュオに押し倒されドレスの胸元を開かれていた。

彼はそのまま婚約したときの胸のバラの刻印にキスをする。

「カレン、お前は今、私の妻になった。いいな?」

デュオ…………!!

深い唇へのキスのあと、彼の唇が首から胸元、全てをいとおしむようにキスを繰り返す。

生まれたばかりの全てが新鮮な子供のように、わたしは彼の全てに声を上げた。

それに呼応するようにデュオも荒々しい息づかいでわたしを抱く。

全てを脱ぎ捨てたわたしたちは、満月のこの夜しか愛し合えない恋人のように、お互いを慈しんだ。

「カレン……お前が愛しい」

「わたしもよ、デュオ。100年たっても」

「100年たっても」

合言葉のように唱えた言葉に、愛しさが込み上げる。

「……んっ……つ…」

初めての痛みと、切なさ。

それ以上に込み上げる愛しさ。

ずっとずっと涙が止まらないほどの、幸福。





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