危険な愛に侵されて。



鈴は三つ編みのおさげ姿で、さらにはメガネをかけているけれどまったく地味ではなく。

むしろふわふわなオーラやかわいさが滲み出ている。


本人は無自覚だが本当にかわいく癒しのような存在である一方、小悪魔な一面もあり多くの男子を困らせていた。

もちろん知らないうちに男子を落としていることも、本人はまったく気づいていないのである。



「今日も寒いね、薄いマフラー巻いてきちゃったよ」


今日もまたふわふわな癒しスマイルを浮かべ、巻いてきたマフラーを見せてくる鈴。

その些細な動作ですらかわいくてたまらない。


「本当に寒いよね!
嫌だな、まだ12月でこの寒さとか!」


そんな鈴に対し、私もニコニコと笑顔で返す。



───そう。

私は、“普通の女子高生”である自分を作っている。
それは高校に入学してからずっと。



「あ、静音だ!おはよ!」
「おはよ〜!クラス変わってから全然会わないよね!」


キャラとしては“底なしの明るさを持つ元気な女子”を演じている。

結果、今は多くの生徒と友達関係である。


もちろん広く浅く、というモットーはあるのだけれど。

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