危険な愛に侵されて。



「さっきの続き、するか」
「……っ」

「せっかくいいところだったのに、お前が照れて台無しにするから」


そんなこと言って、雪夜の表情は楽しそうだ。


「自分でも制御できなくて…」
「何の制御?」

「……言わない」
「すっげぇかわいく求めてきたよな。“もっと”って」


ああ、恥ずかしい。
いつのまにか攻められる側へと変わってしまう。

やっぱり主導権はいつも雪夜に握られていた。


「……だって、雪夜のせい」
「へぇ、俺のせいか」

「うん、全部雪夜が悪い。
狂わせてくるから」


心に体、理性までもが雪夜によって狂わされて。
我を失った私は本能的になってしまう。

ただ“女”として雪夜を求めてしまったのだ。


「ならもっと狂わせてやろうか」

色気がダダ漏れである雪夜が、妖艶に笑う。
余裕たっぷりの笑み。


ああ、乱される。

この後もまた彼に乱されるのだということは目に見えていた。

< 207 / 370 >

この作品をシェア

pagetop