危険な愛に侵されて。
「お前、今日家に親いるのか?」
突然の質問にドクンと心臓が大きな音を立てるかと思うと、抑えきれないほどの怒りが押し寄せてきて。
私の親はお前に殺されたと叫びたい気持ちに駆られる。
もしかして私の親の命を奪ったこと、覚えていない?
それとも子供だった私のことは眼中にもなかった?
雪夜はいったいどんな気持ちで私の両親を───
「……今はひとり暮らし、してるけど」
言ってから後悔した。
怒りのせいで正常な判断ができなくて、質問の意図を理解しようとしなかったのだ。
おそらく彼は私の家を特定し、押しかけるつもりだろう。
別に命を狙われる分には構わないが、飼い慣らすためとなると絶対に許せない。
「高校生なのにひとり暮らししてんだ」
「うるさい…!」
けれど彼は真っ先にひとり暮らしをしていることに驚いた様子だった。
そんな彼の姿にもまた腹が立つ。
本当は家族で毎日を過ごしたかった。
何気ない毎日があんなにも幸せだったなんて、あの頃の私は何ひとつわかっていなかったんだ。
それを奪われたせいで、私は───