運命の恋~もしもあの時・・~
13
私はただひたすらいつもの毎日を過ごした。
有希からも何度か連絡はあったけど会うことは拒否した。
もう疲れたから…誰にも会いたくなかった。
娘の笑顔だけが唯一の支えだった。
不思議と旦那とは普通に接することはできたし笑顔で会話する事もあった。
体だけはあれから一度も求められなかった。

気がつけば10月に突入していた。
まだまだ日中は暑いけど少しずつ涼しくなっていっていた。
娘を学校へ送り出したあとベランダで洗濯物を干しながら手を止め空を眺めていた。
真っ青な空に真っ白な雲が浮かんでいた。
よくあの雲は何に見えるかって3人で話したことを思い出す。
そんな事を考えていたら涙がこぼれ落ちる。
最近はふと昔の事を思い出し涙が溢れる事が多くなった。
泣きたいわけではないのになぁ。

家の中でスマホがなっている。
いつもは気づかないふりをするのに呼ばれた気がして家の中に入りスマホを探す。
見つけた時にはもう切れており着信を知らせるランプが光っていた。
稗田さんからだ。
稗田さんからの連絡はほとんどがメールで電話はあまりない。
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