運命の恋~もしもあの時・・~
ご飯の支度が出来た頃旦那がお風呂からあがってきた。

「香織の顔色良くなってるね。神田さんのおかげだね。まずあの日出て行ったこと本当に申し訳なかった。神田さんから言われなければ自分のことばかりで気づけなかった。香織は出て行くことも出来なかったのにね。ごめん。」

旦那はテーブルにおでこが付きそうなくらい頭をさげる。

「もうお互い様よ。私なんて何日家を開けてるか…でも連れ出してくれた有希には感謝してるのよ。フフッ、離れてみると意外と私とあなたの関係が冷静に見れるわね。あなたはどうだった?仕事もしてたから大変だったとは思うけど…」

「ハハッ、本当にね。当たり前になってたんだなって事が沢山あったよ。全部気づかない間に香織がしてくれてたんだなって。」

お互い穏やかに笑顔で話すのなんていつぶりだろう?

「香澄がいないと静かだな。どうしてる?元気にしてる?」

「元気にしてるわよ。有希のところの翔太くんと仲良くて登下校も一緒で喜んでるわよ。」

「そうか、安心した。でも寂しいな、父親ってそんなもんかな?」

旦那は寂しそうに笑っていた。
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