運命の恋~もしもあの時・・~
7
その夜、旦那は20時過ぎに帰ってきた。
少し後ろめたさがあったがお皿に移したお惣菜をテーブルに並べた。
旦那は気づいてるけど何も言わないのかもくもくと食べていた。

「そうか、今日からキャンプだったな。」

そうかって…前からキャンプって言っていたのに、そうかって!
何だか一つ一つに腹が立つ。

「いつもあいつのお世話で大変だからこんな時くらいゆっくりするといいよ。」

今ゆっくりしている場合ではない。

「あの子がいない今ゆっくり話さなければならないことがあるんじゃない?」

そう言うと旦那は深いため息をつく。
冷静にって努めると嫌みっぽくなるし…
何だか動悸に伴って吐き気までしてくる。

「うん、そうだな………相手の子は同じ会社の補佐の子だよ。新人の頃から僕の補佐に付いてて1から仕事を教えた。どんなに怒られても必死に頑張る姿が可愛いかったんだ。」

話を聞きたいけど吐き気が強くなってくる。
我慢してたけど「可愛いかった」って聞いて抑えられなくなりトイレに駆け込んだ。
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