恋するリゾート
   そんな話をされているとは気が付いていない 信は 

   カウンターで記入を終えると鍵を待つ間 憮然としていた。

   毎年 夏は長期滞在で サーフィンをしている。

   今年も いつものように ふらっと沖縄へと思っていたら 

   ビーチの目の前の リゾートホテルのスイートを買い取ったから

   そこに行けと・・・・・突然両親に言われた。

   なぜ 両親がホテルのスィートを買い取ったからと 

   自分がここに来なくてはいけないのか

   その上 知り合いに頼まれたから
   サーフィンのインストラクターの
   バイトも1ヶ月しろと強要されるのか

   断った瞬間 お前名義のカードを止めてもいいのかと
   脅された・・・・

   なんなんだよ・・・・まったく・・・・・・

   シンは溜息しか出ない

   今の大学生は 忙しい
  
   なかなかまとまった休みが 課題の提出などで取れない

   やっと夏休みは 自由に好きなことを楽しもうと
   計画していたのに・・・・

   本当は 一人で来るはずだったが どこで聞きつけたのか

   島田遥斗・中村樹もついてきた。
 
  毎年一緒にサーフィンに行っているから 
   今年ぐらいは一人でと思っていたのに

   信は 鍵を待つ間 また溜息をつく


   
   近頃 女の子たちは日焼けを嫌がり

   なかなかサーフィンをしようとしないらしい

   女の子の集まり具合で 男の子の集まり具合も変わるらしく
  
   かわいい女の子が集まらないと 男の子も来ない
  
   だから オーナーさんは 女の子をどうやって集めるか

   毎年 頭を悩ませるらしい

   父が言うには

   サーフィンスクールの学長さんは

   父の知り合い仲間でも有名なイケメンなメンツ

   信や遥斗・樹たちがくると聞いて大喜び

   以前遊びに行った時の 写真を使い 

   イケメンインストラクターが教えるとネットで予約を取ったら

   予想以上の盛況 ほぼ満員の予約状況 

   それを聞いた 父親も鼻が高いと 嬉しそうにニコニコしていた


   母には  「信 遊ぶのもいいけど いい加減にしなさいよ  

         パパの顔に泥塗らないでよ」        
  
         と釘を刺された。


  
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