トモダチ地獄～狂気の仲良しごっこ～

「ねぇ、杉原さん。梶崎さんと梅嶋さんとはいつから仲が良いの？」

突然話しかけられて少しだけ驚く。

でも、これからは調理実習の班も同じだし楽しくやる為にも仲良くなっておきたい。

あたしは笑顔で答えた。

「えっと、高校に入学してからだよ」

「中学が同じわけではないの？」

「うん。違うよ」

「へぇ、そうなんだ……。二人とは親友？」

「えっ、あ、うん。親友だよ」

「ふぅん。私はね、親友がいないの。ううん、それどころか友達もいない」

「え……？」

突然の葛生さんのカミングアウトに言葉を失う。

なんて言葉を返せばいいのか分からず困惑しているあたしに葛生さんは続ける。

「親友って見つけたくてもなかなか見つけられないものだと思うの。親友が見つかるなんて本当に奇跡的だと思わない？」

「そ、そうだね」

「一人見つけるのも大変なのに、杉原さんには親友が二人もいるんでしょ？それって本当に親友なの？」

「えっ？」

葛生さんの言葉に思わず苦笑いを浮かべる。