Love EaterⅡ
「六花、お前また…」
「甘い匂いがする」
「ろっ…」
「何でかな?ソルトから凄く甘くていい匂いがしてる気がするの。何の香水?これ…凄く好き」
「いや…俺は香水なんて…」
鼻が効きすぎるが故に香りが強い物とは基本的縁遠いのがソルトだ。
だからいい匂いがすると言われてもまるで思い当たる節はない。
それこそ魔女の瘴気の残り香故か?なんて事くらいしか。
それに、なんでまだ紫の眼に…。
そんな疑問を抱きながら六花の頬に指先が触れた刹那、すぐにその手を引っ込めたのは聴覚が働いて。
こちらに向かってくる複数人の気配はきっと他の神父達のもの。
「六花行け。今お前がここに居たらマズイ」
いくら魔女狩りに一役買ったと言ったところで、他の神父はソルトのように甘い見識はしないだろう。
ましてや魔女の脅威の意識が高まったこの事態の直後。
六花に対する目も批判的な先入観が強である筈。
それは六花もまた理解している事で、ソルトの『行け』と言う指示に反する気はさらさらなく。
スッと愛用の箒を呼び出すと颯爽と跨って地面を蹴るのだ。
それでも、「あっ」なんて思い出した様にその場に飛び止まり、先程の魔女の方へと意識を向ける事には何をするのかとソルトも焦ったが。
六花が特別距離を詰める事もなく、ただ指先をパチンと鳴らしてみただけ。