虹色シンデレラ
「何か飲み物を持ってこさせるよ」

「ありがとう」

「何がいい?」

「うーん、温かいココア」

「夏だぞ」

「いいの。フーフーして飲むから」

ククク。

「お子ちゃまだな」

「悪かったわね。ほら、菅原さんが心配するから行って」

「ああ」


後ろ髪を引かれる思いで、俺は立ち上がった。


本当ならあんなパーティーには戻りたくはない。

でも、高宮の跡取りとしては勝手なことはできない。


「俺が戻ってくるまで、ここにいろ」

「どうして?」

不思議そうな顔。

「いいから、ここで待っているんだ。いいな」
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