虹色シンデレラ
バタバタと一日が終わり、夜になっても哲翔さんは帰ってこなかった。

幸い週刊誌の記事は掲載されることもなく、ネット上で少し話題になるくらいで収まった。


それにしても、この先もこんな生活が待っているんだろうか?

いつも誰かに見られ、世間の目にさらされる生活。

私に続けていけるんだろうかと、不安になってしまう。


「何かお持ちしましょうか?」

いつものように乃梨子さんが気遣ってくれる。


「今はいいわ。そう言えば、お父様とお母様はお帰り?」

哲翔さんはまだ帰宅していないけれど、母屋のことは様子が分からないから。

「旦那様は遅くなる予定です。奥様は先ほどお帰りになりましたが、頭痛がするとおっしゃってお部屋に入られました」

「そう」

お母様も色々と心労があるだろうから。

クタクタに疲れてしまったのは私も一緒で、こんな時は寝るのが一番。

哲翔さんのことは気にしないふりをして、私はベットにもぐり込んだ。
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