虹色シンデレラ
「話が合わないとか、顔が気にいらないとか、そんなレベルの話じゃないんだ。家同士が決めた話である以上俺たちの好みは聞かれていない」
「どういう意味ですか?」
私達の結婚問題なのに好みは聞かれていないなんて、おかしいでしょう。

「どういうって、その通りの意味だよ。本当に分からないの?ちゃんと大学に行っているんだろう?」
何か凄く馬鹿にされた。

「とにかく、俺は何も言わない。断るんなら断ってくれ。周りの思惑に乗りたいなら好きにしたらいい」
そんなこと言われたって・・・

「もし、このまま話が進んだら哲翔さんはどうするんですか?」
「それはそれで仕方ないさ」
「そんな投げやりな・・・」
「元々、何も期待してないから」
凄く寂しそうな顔。

私は黙ってしまった。
今は何を言っても無駄な気がした。
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