貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
別にすごいわけでもなんでもない。
ヘイセイの世界では常識のように知っていたというだけのことではあるが、こういう知識が家族の健康に繋がると思うと、夢であれなんであれヘイセイでのことを思い出してよかったなと思う。
「いいの。わからなくたって。美味しいと思ってもらえれば、それこそが大切よ」
そんな話をしていると、山の中からガサガサッという音が聞こえてきた。
「嗣爺……今の音」
キノコ狩りで一番怖いのは、熊や巨大な猪と出会うことだ。
恐る恐る振り返ると――。
「あっ!」
見えるのは黒くて大きな影。
「姫さま! 爺がこの槍であいつを仕留めますのでな。先にお逃げ下され!」
「なに言ってるの! いやよ、ひとりで逃げるなんてできないわ!」
嗣爺は怯むことなく、槍を手にすっくと立ち上がった。
が、槍とはいっても実はただの杖。熊に勝てるとは思えない……。
花菜は応戦すべく近くの石を手にした。
と、その時、ヒヒィーンという馬の嘶きが聞こえた。
ヘイセイの世界では常識のように知っていたというだけのことではあるが、こういう知識が家族の健康に繋がると思うと、夢であれなんであれヘイセイでのことを思い出してよかったなと思う。
「いいの。わからなくたって。美味しいと思ってもらえれば、それこそが大切よ」
そんな話をしていると、山の中からガサガサッという音が聞こえてきた。
「嗣爺……今の音」
キノコ狩りで一番怖いのは、熊や巨大な猪と出会うことだ。
恐る恐る振り返ると――。
「あっ!」
見えるのは黒くて大きな影。
「姫さま! 爺がこの槍であいつを仕留めますのでな。先にお逃げ下され!」
「なに言ってるの! いやよ、ひとりで逃げるなんてできないわ!」
嗣爺は怯むことなく、槍を手にすっくと立ち上がった。
が、槍とはいっても実はただの杖。熊に勝てるとは思えない……。
花菜は応戦すべく近くの石を手にした。
と、その時、ヒヒィーンという馬の嘶きが聞こえた。