貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「あれ? 蒼絃さまは?」
小鞠が、菓子と桜の花が浮かんだお茶を持って現れた。
「もう行ってしまわれたわ」
「あら、お菓子とお茶、お持ちしましたのに」
「仕方がないわ、ふたりでいただきましょう」
「姫さま、この桜のお茶と桜のお菓子。お客さまたちにとても評判ですよ」
「それはよかった。沢山漬けておいてよかったわね」
お茶用に桜の花の塩漬けと、さくら餅用に桜の花をあまづらに漬けこんだもの。
これは全て、去年仕込んでおいたものだ。
他にも花菜が考えた様々な珍しい料理が並ぶので、客たちは大喜びであるらしい。
「姫さまがお作りになったものは、本当に美味しいです」
実は今も花菜は下屋に顔を出して、料理を作ったりしている。
「ふふ、ありがとう。今年の桜も摘んでおかなきゃね」
「はい」
李悠が言ってくれたのだった。
『好きにして構わぬ。奥に閉じ籠れとは言わないし、護衛さえつければ好きに出歩いてもよいのだ』
聞けば最初から彼はそのつもりだったという。
『花菜が作る物を食べてみたいし、君を迎えるのはそういうことだと思っていたよ?』
そう言って笑った。
何も変えなくていい。
ありのまま受け入れたいのだと。
小鞠が、菓子と桜の花が浮かんだお茶を持って現れた。
「もう行ってしまわれたわ」
「あら、お菓子とお茶、お持ちしましたのに」
「仕方がないわ、ふたりでいただきましょう」
「姫さま、この桜のお茶と桜のお菓子。お客さまたちにとても評判ですよ」
「それはよかった。沢山漬けておいてよかったわね」
お茶用に桜の花の塩漬けと、さくら餅用に桜の花をあまづらに漬けこんだもの。
これは全て、去年仕込んでおいたものだ。
他にも花菜が考えた様々な珍しい料理が並ぶので、客たちは大喜びであるらしい。
「姫さまがお作りになったものは、本当に美味しいです」
実は今も花菜は下屋に顔を出して、料理を作ったりしている。
「ふふ、ありがとう。今年の桜も摘んでおかなきゃね」
「はい」
李悠が言ってくれたのだった。
『好きにして構わぬ。奥に閉じ籠れとは言わないし、護衛さえつければ好きに出歩いてもよいのだ』
聞けば最初から彼はそのつもりだったという。
『花菜が作る物を食べてみたいし、君を迎えるのはそういうことだと思っていたよ?』
そう言って笑った。
何も変えなくていい。
ありのまま受け入れたいのだと。