君は僕のもの 【続】

甘々は似合わない

…樹side




とうとう1月から2月に移り変わって。

寒さの中にもたまに暖かかったりする日があったり…無かったり……


気付けばもう数日で俺の誕生日が来て。

そのまた数日後には、うん。アレがきたりする、本当…面倒臭い。


ボーっと椅子に座って、窓の外を眺めていれば、

くだらない男子の花が咲いた話を、嫌でも耳にしなきゃいけないから嫌だ。



「お前はいいよなー、彼女いるし」

「本当本当〜…あーやってらんねぇよ」


この時期になると彼女の居ない方の男は大抵、彼女の居る男に対しての僻みを言う訳で、それは女の場合も同じ。

何が楽しいのか分かんない。


「本当モテ男はいいよなぁ〜」

「…そうそう、矢上なんて本当“神の領域”ってヤツ?」

「あー確かに確かに!!学年越えて、他の学校からも女子がきそうだわっ」


それで毎年。

勝手に男子は人の話を会話の中のネタにするから、迷惑…


それより“神の領域”って何なの?



どこ…?


「…はぁ……」

重い溜め息を吐けば、この“バレンタイン”っていうイベント一色に染まってるこの空気。


嫌で嫌で仕方ないのに、どうしようもない。


そう思いながらチラッと愛梨の方の視線を運ぶと、何やら雑誌を早川と一緒になって熟読中みたい。



…そういえば、あの白井とかいう人。


あれから全く俺らに関わってこないんだけど、逆にいきなりそうなると変な感じ。

自分で関わるなって言ったんだけどね。


どうしたんだか知らないけど……、まぁ興味も無いし?


もう一回だけ窓の外に視線を移して。

「はぁ…」

溜め息をもう一回。


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