シンデレラは真夜中に踊る
「もうすぐクリスマスだから、クリスマス関係の本を中心に探してね!お願い!」

そう早口で言うと、雫は本を探しに行ってしまった。

本来なら、これは図書委員の仕事だ。おそらく押し付けられたのだろう。北斗は面倒だと思いながらも、クリスマス関係の本を探す。

北斗はよく図書室に来て本を借りている。なので、どんな本がどこにあるのかは大体わかる。

とりあえず数冊手に取り、北斗は「先輩!見つけましたよ〜」と広めの図書室で雫を探す。

ひょこっと雫は近くの棚から顔を出し、本を手に抱えた北斗の姿に驚く。

「わあっ!早いよ〜!北斗くんって仕事いつも早いよね〜」

「……先輩はまだ見つけていないんですか?」

呆れる北斗に、雫は「えへへ」と笑う。雫は美化委員の委員長だが、あまりしっかりはしていない。みんなに押し付けられて委員長になったのだ。

「先輩の将来が心配ですよ」

北斗がそう言うと、雫は「失礼な!」と笑う。

「かっこいい人と結婚して、その人にずっとついてくよ!」
< 3 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop