アイスクリームと雪景色
ミドルヒールのパンプスは足にフィットして、しっかりと立っていられる。もう以前の自分とは違うのだ。人目を恐れ、転ぶのを恐れながら歩くことは無い。

帰り支度を整えてオフィスに戻ったが、やはり里村の姿は見当たらなかった。

(先に帰るはずもないし、変ね)

うっとうしいくらいくっついてくる後輩が突然消えてしまった。美帆は首を傾げるが、わざわざ探すまでもないだろうと判断し、同僚にことづけを頼むことにした。

「へえ、今日は一人でお帰りか。里村はどこ行ったんだ」

「さあ」

からかい交じりに訊いてくる同僚に、肩を竦めた。

どこに消えたかは知らないが、きっと後から追いかけて来るだろう。必死で走って来る里村の姿を想像して、笑みが浮かんだ。

「成田美帆さんはおられますか!」

勢いよくドアが開く音と、轟くような大声に、びくっと身体が震えた。居合わせた社員全員が仕事の手を止め、オフィスの出入り口に振り向く。

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