アイスクリームと雪景色
(コネ男にしてチャラ男……やっぱり、そうだったのね)

ただでは済まないと、どこかで覚悟していた。こんなことはよくある話だ。

だけど、このガッカリ感は何なんだろう。

どうしてこれほど残念な気持ちになってしまうのか、美帆は分からなかった。

「ええーと、どこだったかな。あった、これだ」

ようやく目当てのものを探し出した金本は、それを美帆に差し出した。

白い封筒だった。

「これは?」

受け取ったものの、開ける勇気がない。

解雇通知書かもしれない。

金本を見上げると、しっかりと頷いた。ああやっぱりと美帆はあきらめ、そして里村を恨んだ。

(そういえば、金本課長も里村くんもZ大学の応援団員だったと箱崎さんから聞いた。体育会並みに厳しい規律、ボランティア活動、そんな立派な団体の団長だったあの子に、私は感心したのだ。ただのチャラ男くんではなかったはずなのに)

折りたたまれた白い紙を取り出す。

震える手で開けると、そこには――
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