アイスクリームと雪景色
美帆は、自分がルナを苦手としていること、それもかなりの重症であるのを自覚した。

すると、ルナの非論理的な行動。敵意をむき出しにして関わってくるのはなぜ? という疑問への答えも自然に導き出された。

すまなそうにする里村も、気付いているのだろう。

おそらく美帆よりも、もっと以前から。

氷川ルナは、坂崎小次郎を間に挟んで育み続けたライバル心を、そのまま美帆に対して持ち続けている。

そして今、里村という“上質な男”の関心を独り占めにする美帆を見て、ライバル心を増幅させたのだ。

男性の注目を一身に浴びてきたモテ系女子ならではの心理だろうか。

つまり、男性が自分を無視するなんて、ありえない。しかも、こんな女のために? というような。

ルナが美帆を女として下に見ているのは明らかだ。彼女は若く、可愛らしく、恋愛の勝負に負けたことがないだろう。

何より坂崎が選んだのはルナなのだから、完璧な勝者である。

しかし、美帆にはまったく理解できない。坂崎と里村は別人なのに、どうしてライバル心を増幅させるのか。

それこそ非論理的だ。
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