アイスクリームと雪景色
今みたいな派手なアピールもそうだが、そもそも外見がいけない。

女性社員が、トイレで、更衣室で、給湯室で、コンプライアンスを無視して声高に噂しまくっている彼の顔や姿。

爽やか系のイケメンで、モデル並のスタイル、高身長。上質なコートも、その下に覗く仕立ての良いスーツも、恐ろしいくらいよく似合い、誰もが恋に落ちそうなほど男性としての魅力に溢れている。

そう、無駄に溢れているから、美帆は頭を抱えるのだ。

「イケメン君と仕事ができるなんて羨ましいー」などと、他部署の若いコに言われたりするが、里村は七つも年下だし、教育中の後輩だし、美帆には恋愛の対象にはならないので、もっと地味な外見だったらいいのにとさえ思う。

そしてもうひとつ、彼が女性ばかりでなく男性からの注目度を高めている『身分』も、いただけない。

とにかく里村宏道という後輩は、目立つ要素満載の男子なのだ。

「今朝も規則正しくこの時間なんですね! まあ、俺も合わせて出勤してるんだけど」
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