【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
○翌朝。リビング。
眩しいほどの朝日がさしこむリビングで、華が眠い目をこすりながら珈琲を飲んでいると、パジャマ姿の光一が現れた。

光一「はよ」
いつも朝からシャキっとしている彼にしては、めずらしく気怠げな様子だ。そもそも華より遅くまで寝ていることなんて、ほとんどないのだ。
華「おはよう。今日はゆっくりなんだね。朝ごはん、どうする?」
光一「あぁ、取引先に直行だから。トースト焼いてもらっていい?」
華「わかった」

華は二人分のトーストをトースターにセットする。その横で光一は自分の分の珈琲を用意していた。

光一「昨日、悪かったな」
光一はポツリと言った。

華「ううん、大丈夫。歩き疲れたせいか、帰ってきたらすぐ寝ちゃったよ」
とっさに出た嘘を、華は曖昧な笑みで隠す。

『昨日、遅かったみたいだね。仕事?』
そうさらっと聞いてみればいいだけなのに。夫婦なんだから、なにもおかしくないのに。
蓋を開けてみれば、本当に大したことじゃないのかもしれない。光一だって、案外あっさり答えてくれるかもしれない。
だけど、華の口からはうまく言葉が出てこなかった。

華(本音で向き合う。わかってるけど、実際には怖くて勇気がでないよ)
光一に気づかれないよう、華は小さくため息をついた。
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