【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
12話 幸せは続かない⁉ 2
〇オフィス街、夜。

華は人気のない夜のオフィス街をとぼとぼと歩いていた。
悠里に泣きつきたかったが、赤ちゃんのいる家庭にこんな時間に突撃するわけにはいかない。ならば、実家と思ったが、華の実家は埼玉の奥地だ、明日の出社が困難になる。
こんなときでも『会社を休みます』と言えない自分の小心さが恨めしい。

華(それで、なんとなくきちゃったのが会社の近くなんてね)

それでも、慣れ親しんだ場所というだけで、なんとなく安心できる。

華(あの人、光一って呼び捨てにしてた。若い女の人の声。それに、赤ちゃん)

赤ちゃんは悠里の娘と同じ年頃だろうか。そんな小さな子がいる女性と光一がなぜ
一緒にいるのか。その子を抱っこするような仲なのか。

華(もしかして、光一さんの子ども……なんて)

最悪の想像をしてしまって、華はぶんぶんと首を振った。
それでも、思考は悪いほう、悪いほうへと向かっていく。

華(光一さん、もしかしたらあの人と結婚したかったのかな。それが
かなわなくて、だから私と仮面夫婦……とか)

華(あの張り紙はさっきの女の人が?それとも別の?)

考えても考えても、結論は出ない。華は疲れきってしまった。

華(光一さんを信じたいよ。でも、私はもともと愛されて結婚したわけ
じゃない……自信がないよ)

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