彼女を10日でオトします
「あら、響ちゃん、今日は私服で登校するの?」
お姉ちゃんがフライパンからベーコンエッグを3枚のお皿にそれぞれ振り分けながら、私の足元から頭のてっぺんに視線を移す。
「今日は、学校行かな――」
「響ちゃん、どういうことだ!?
学校をサボるってことか!?」
ダイニングテーブルに座っていた貴兄は、新聞をバサリと閉じながら声を張り上げた。
「そうよ」
そう一言呟いて、貴兄の正面に座る。
貴兄は、拳をつくってテーブルを叩いた。このまま放っておいたら、テーブルさえひっくり返してしまいそうな勢いで。
「どうしてだ!?」
理由なんて、貴兄に言えるわけないじゃない……。
「貴兄には、関係ない」
「……か、かんけ……。
と、燈子……、響ちゃんが関係ないって……」
「貴史、響ちゃんはもう17よ。
響ちゃんにだって秘密のひとつやふたつあって当然じゃない」
「で、でも……関係ないって……」
「それに、そろそろ、貴史のことを煩わしいって思う歳よ」
「わずっ!! これが噂の反抗期か……。
……燈子、俺も、今日、学校休む……」
目の前で、白くなっている貴兄をなるべく見ないように、ベーコンエッグに箸を運ぶ。
貴兄、ごめんなさい。
バカなこと言わないの、とお姉ちゃんにフライ返しで小突かれている貴兄に、心の中で謝るこしかできなかった。
お姉ちゃんがフライパンからベーコンエッグを3枚のお皿にそれぞれ振り分けながら、私の足元から頭のてっぺんに視線を移す。
「今日は、学校行かな――」
「響ちゃん、どういうことだ!?
学校をサボるってことか!?」
ダイニングテーブルに座っていた貴兄は、新聞をバサリと閉じながら声を張り上げた。
「そうよ」
そう一言呟いて、貴兄の正面に座る。
貴兄は、拳をつくってテーブルを叩いた。このまま放っておいたら、テーブルさえひっくり返してしまいそうな勢いで。
「どうしてだ!?」
理由なんて、貴兄に言えるわけないじゃない……。
「貴兄には、関係ない」
「……か、かんけ……。
と、燈子……、響ちゃんが関係ないって……」
「貴史、響ちゃんはもう17よ。
響ちゃんにだって秘密のひとつやふたつあって当然じゃない」
「で、でも……関係ないって……」
「それに、そろそろ、貴史のことを煩わしいって思う歳よ」
「わずっ!! これが噂の反抗期か……。
……燈子、俺も、今日、学校休む……」
目の前で、白くなっている貴兄をなるべく見ないように、ベーコンエッグに箸を運ぶ。
貴兄、ごめんなさい。
バカなこと言わないの、とお姉ちゃんにフライ返しで小突かれている貴兄に、心の中で謝るこしかできなかった。