彼女を10日でオトします
 キョンの隣、カウンターの足が長い椅子に座る。

「響ちゃんはダージリンね。たすく君は、昨日のコーヒーでいいかしら」

「はい」

 うひょ。俺としたことが「はい」オンリー。
 たっしーどうしちゃったの? いつから口下手になっちゃったのー!? 

 燈子さんは、俺の返事を笑顔で受け止め、お茶っ葉を出したり、豆を出したり。

 キョンは、鞄から教科書とノート、ペンケースを出して、カウンターに広げた。

「キ、キョン、何やるの?」

「何って見てわかりませんか? 宿題です」

「宿題!? 凄い! キョンって凄いね」

「はあ? 何言っているんですか?」

 キョンは、じとーっと俺を睨む。睨まれたって、俺、平気。

「俺、宿題って、やらないか、学校でやるもんだと思ってた!」

「はあ」

 嫌そうな返答プラス、嫌そうな目で俺を見るキョン。でも、全然気にしない。

「ねね、見てていい?」

「はあ。いいですけど、黙っててくださいね」

「うん!」

 キョンは、ペンケースからシャーペンを取り出して、教科書の印がついている場所を解いていく。

「たすく君って面白いわね。宿題もやったことなくて、よく高校入れたわねぇ。はい、どうぞ」

 
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