彼女を10日でオトします
 ショッキングな事に気付いてしまった俺は、湯気がおさまったコーヒーを口に運ぶ。

 すごいモノ(もちろん燈子さん)を見てしまった。

 貴史ちゃんって案外苦労してるのかも。
 そう思ったら、なんかねぇ。今日の保健室での出来事、可哀相な事しちゃったなぁって。

「ただいま」

 扉のカウベルの音色をBGMに、颯爽と御帰還したのは、貴史ちゃん。

「貴史ちゃーん、お帰りなさい。ご飯にする? お先にお風呂かしら?それとも――」

「煩い。あれ? 燈子と響ちゃんは?」

 貴史ちゃんのいけずぅ。最後まで言わせてくれてもいいじゃないの。

 貴史ちゃんは、カウンターに鞄を置いて、ネクタイを緩める。

「キョンなら、燈子さんに連れられて2階に行ったけど。
『略して、アラビアン占い師、ジャスミン響子』なんだってさぁ」

 ネクタイの結び目を掴む右手をしばし止めて、
「たすく、バカだなー。全く略してないじゃないか。それをいうなら『題して』だろう?」
きっぱり。

 ……貴史ちゃんよ、残念ながらバ○なのはあなたの奥様です。

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