彼女を10日でオトします
「ああ、もうっ! あっち行ってよ!
特に貴兄っ!!」

 ん? 『特に貴兄』って、今、キョン……。
 
「だってさ、貴史ちゃん。今の感じじゃ、貴史ちゃんがいたら、キョン、出てこなそうねぇ」

「なっ! たすく、お前は来るなって言っただろ! なんでお前がいるんだよ!」

「えー。貴史ちゃんが来いって言ったんじゃない」

 それより、俺がいること、今気付いたの? 磁場に大きく影響を受けちゃうゲルマニウム抵抗温度センサーの抵抗値に鈍感ね。

「んなこと、言ってないだろ!」

 息巻く貴史ちゃん。珍しい。

「まあまあ、こんなこと押し問答してても仕方ないわな。
燈子さんは、お店に戻ってて?
貴史ちゃんは……そうね。どっか行ってて」

「そうね。じゃあ、私、下に行ってるわ」
と燈子さん。いいこいいこ。

「どっかって……、ココ、俺の家なんだけど」

「知ってるって、そんなこと。いいから、まずは、着替えてきなよ」

「でも……」

 おじょうぎわが悪いんだから。どんだけトイレの前にいたいのよ、この人。

「だからさぁ、貴史ちゃん。キョンは、貴史ちゃんにどっか行って欲しいのよ。理由は知らないけどさぁ。
結構、切羽詰まった感じに聞こえたよ、さっき」

「響ちゃん……」

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