オトナだから愛せない
再びため息を溢し、スマホを制服のスカートのポケットへとしまう。マンションの下にたどり着くと、たまたまさきほどのドライなメッセージを送ってきたイケメンと遭遇した。
「あ、皐月くん」
「お前またこんな遅い時間まで」
「いや、遅いって言ってもまだ6時半だよ」
「もう、十分暗いだろ。気をつけろ」
「はーい。てか、それより皐月くん、プリクラ」
「行かないって言ったよな」
「ケチ」
呆気なく、食い気味で否定されてしまった。
チンッと、鳴ったエレベーターに乗り込みその間もどうにか一緒に行ってもらえそうな口実を探すけれど見つからない。
ちらりと横に立つ皐月くんを盗み見ればなんてことか。皐月くんの視線もこちらを向いていた。
「お前、友達に影響され過ぎだろ」
「え、」
「プリクラだよ。友達が彼氏と撮ってるのが羨ましいって言ってたけど第一俺との写真なんか友達に見せれないだろ」
「……そうだけど、そういうことじゃないもん」
「は?なにが」
「みんな彼氏とプリクラ撮ってていいなって思ったのは事実だよ。皐月くんとプリクラ撮ってもみんなに見せれないのも分かってる」
「……」
「……でも、私はただ皐月くんとの写真が欲しくて」
エレベーターが6階についた。
私は、なにを言っているんだろう。
なんだか急に恥ずかしくなって「もういいよ。じゃあね」と逃げるようにエレベーターから急ぎ足で降りる。ツカツカと家の扉を目指し早足で歩いた。