オトナだから愛せない
「夫婦の幸福」



女というものは、いったいなにを貰ったら嬉しいのか。



有名ブランドのショップで女物のネックレスが並ぶガラスケースをまじまじと見つめた。



キラキラと光るそれは色や形、値段も様々。なにがいいのかさっぱり分からない。




「プレゼントですか?」

「あ、はい、記念日のプレゼントで」




ガラスケースと睨めっこをする俺に、にこやかに声をかけてきたのは40歳前後の感じのいい品のあるおばさん。




「今、人気のあるモデルですとこちらの星のデザインのものが大変人気となっております」




その人が指したのは少し大きめのシルバーの星が付いたネックレスだった。




「んー、ちょっと待っていただいてもよろしいですか?」




それはなんとなく胡桃のイメージと違った。感じのいいおばさんにひと言断りを入れ、スマホを手にする。











自分でもだいぶ、とんちんかんな質問だなと思ったが、とりあえず星はやめておこう。




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