Violet Detective
明日、セレステのあった場所に行くという話をして私たちはそれぞれ自分の部屋に向かう。

今はまだ知らない。犯人の正体も、自分の考えに変化が訪れることもーーー。



次の日、私は事件のことを頭の中で考えながら朝食を作っていた。

西園寺虎徹と朱美、そして倉本は話を聞く限りかなりの人間に恨まれている。カフェで話した谷口も、あとで「倉本という人間から取り引きをするよう脅されていた」と話してくれた。

佐久間、そして谷口には三人をエキノコックスを使った殺人をする動機は十分にある。だが、仮に二人のどちらかが犯人だとすればどうやって感染させたのだろうか。

安藤や一花も殺人の可能性が低いとはいえ、ゼロではない。人間は嘘を上手につく生き物だ。……そう、私の両親だった人のように。

スマホがピロンと音を立てる。誰かがラインを送ってきたようだ。私は調理の手を止め、スマホの電源を入れる。

その時、昨夜の三時に寺井からメールが届いていることを見つけた。
< 40 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop